プロテインでお腹壊す人へ|最新研究で見る動物性と植物性

植物性プロテインと豆腐、枝豆、えんどう豆を並べた腸にやさしい食事イメージ

プロテインを飲むと、お腹がゆるくなる。
お腹が張る。ゴロゴロする。

そんな経験がある人は、タンパク質の「量」だけでなく「種類」にも目を向けてみるとよいかもしれません。

この記事では、2026年に発表された最新研究をもとに、動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いをわかりやすく紹介します。

※この記事は医療アドバイスではありません。IBD(炎症性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病などで治療中の方は、食事を大きく変える前に主治医へ相談してください。

目次

結論:プロテインでお腹を壊す人は「種類」を見直す価値がある

プロテインでお腹を壊す原因は、人によって違います。

よくある原因は、次のようなものです。

  • 乳糖が合わない
  • 人工甘味料が合わない
  • 一度に飲む量が多い
  • 冷たい飲み物で割っている
  • タンパク質の種類が体に合っていない
  • 腸内環境が弱っている

特に注目したいのが、タンパク質の種類です。

最新の研究では、牛肉由来タンパク質と、えんどう豆由来タンパク質で、腸の炎症への影響に大きな違いが出たことが報告されています。

ここで大事なのは、
「動物性プロテインはすべて悪い」と決めつけないことです。

今回の研究で強く比較されたのは、主に牛肉由来タンパク質えんどう豆由来タンパク質です。ホエイプロテイン全般を否定する研究ではありません。

ただし、プロテインでお腹を壊しやすい人にとって、植物性タンパク質を選ぶ視点はとても参考になります。

プロテインでお腹壊すのはなぜ?

プロテインでお腹がゆるくなる理由は、ひとつではありません。

ホエイプロテインが合わない場合

ホエイプロテインは、牛乳由来のタンパク質です。

そのため、乳製品が苦手な人は、お腹がゆるくなることがあります。

特に次のような人は注意が必要です。

  • 牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする
  • ヨーグルトやアイスでお腹がゆるくなる
  • 乳糖不耐症の傾向がある
  • 胃腸がもともと敏感

この場合は、ホエイではなく、ソイ、ピープロテイン、ライスプロテインなどの植物性プロテインが合うこともあります。

添加物や甘味料が合わない場合

プロテインには、飲みやすくするために甘味料や香料が入っているものもあります。

体質によっては、タンパク質そのものではなく、こうした成分でお腹が張ることもあります。

選ぶときは、次の点を見てみましょう。

  • 甘味料が多すぎないか
  • 香料が強すぎないか
  • 原材料がシンプルか
  • 一度に飲む量が多すぎないか
めあり

プロテインそのものが悪いというより、「自分のお腹に合う形」を探すことが大事だと思います。体は意外と正直です

【用語メモ:IBDとは】
IBD(Inflammatory Bowel Disease、炎症性腸疾患)は、腸に慢性的な炎症が起こる病気の総称です。代表的なものに、潰瘍性大腸炎とクローン病があります。原因ははっきりわかっておらず、食事、腸内細菌、免疫、遺伝など、複数の要因が関わると考えられています。

最新研究:牛肉由来タンパク質とえんどう豆タンパク質の違い

めあり

この研究はIBD(腸の慢性炎症)モデルの話ですが、日常的にプロテインでお腹が張る・ゆるくなる人にとっても、「タンパク質の種類を見直す」きっかけになる内容です。IBD(炎症性腸疾患)じゃないから関係ない、ではなく、腸を大事にしたい人みんなに参考になる話として読んでみてください。

2026年、ストーニーブルック大学などの研究チームは、タンパク質の種類が腸の炎症にどう関わるかを調べた研究を発表しました。

この研究では、マウスの腸炎モデルを使い、牛肉、えんどう豆、大豆、卵白、カゼインなど、複数のタンパク質源を比較しています。

結果として、牛肉由来タンパク質を食べたマウスでは腸炎が最も重くなり、えんどう豆タンパク質を含む食事では炎症が大きく抑えられたと報告されています。

この研究で使われた「牛肉由来タンパク質」は、牛乳ではありません。
牛肉、つまりビーフ由来のタンパク質です。

牛乳由来のタンパク質は、一般的に次のように呼ばれます。

  • ホエイプロテイン
  • カゼイン
  • ミルクプロテイン

そのため、この記事では「牛由来」ではなく、牛肉由来タンパク質と表現します。

なぜ植物性タンパク質で差が出たのか

研究チームは、違いの背景に次のような要素があると考えています。

動物性と植物性タンパク質の違いをイメージした食品比較
タンパク質は量だけでなく、種類によって体への感じ方が変わることがあります。
  • 腸内細菌の変化
  • 腸を守る粘液層の変化
  • 胆汁酸のバランス
  • 食物繊維との関係

牛肉由来タンパク質を食べたマウスでは、腸の健康を支えるとされる一部の腸内細菌が減り、別の細菌が増えました。その結果、大腸を守る粘液層の厚みや質が低下したと説明されています。

また、牛肉由来タンパク質は胆汁酸のバランスにも影響していました。

胆汁酸とは、脂質の消化に関わる物質です。腸内細菌とも深く関係しています。

さらに興味深いのは、食物繊維の一種であるサイリウムを加えると、牛肉由来タンパク質による炎症が抑えられ、胆汁酸のバランスも回復したという点です。

つまり、今回の研究から見えてくるのは、タンパク質だけでなく、腸内細菌や食物繊維との組み合わせも大事ということです。

大豆タンパク質はどうだったのか

ここで、日本の食卓に欠かせない大豆について触れておきます。

今回の研究で、大豆タンパク質を食べたマウスの炎症は、「牛肉より軽く、えんどう豆より重い」中間の位置にありました。同じく中間だったのが、卵白タンパク質とカゼインです。

つまり、大豆タンパク質は牛肉より優れていますが、えんどう豆ほどの効果は見られなかった、という結果です。

ただし、ここで大事なポイントがあります。この研究で使われたのは、単離されたタンパク質パウダーです。豆腐や納豆のような、食品そのままの形(ホールフード)ではありません。

豆腐や納豆には、食物繊維、イソフラボン、発酵由来の成分など、単離大豆タンパク質にはない要素がたくさん含まれています。

研究チーム自身も、食品全体で調べた場合と、単離タンパク質で調べた場合では、結果が変わり得ることを指摘しています。

ですから、「豆腐や納豆はえんどう豆に劣る」と単純に結論づけることはできません。

日常の食卓で植物性タンパク質を増やすなら、豆腐・納豆・枝豆はやはり優秀な選択肢です。

この研究を、どう受け止めるか

ここは大切です。

今回の研究は、マウスを使った腸炎モデルの研究です。人間で「ピープロテインを飲めばIBD(腸の慢性炎症)が治る」と証明されたわけではありません。

また、動物性タンパク質にもいろいろあります。

  • 牛肉由来タンパク質
  • ホエイプロテイン
  • カゼイン
  • 卵白タンパク質
  • 魚由来タンパク質

これらをすべて同じように扱うことはできません。

ただし、研究では、牛肉由来タンパク質が最も強い炎症と関連し、えんどう豆タンパク質が最も軽い炎症と関連したことが報告されています。

つまり、この研究は「動物性プロテインをすべて否定するもの」ではなく、「植物性という選択肢を見直すきっかけになるもの」として受け止めるのがよさそうです。

プロテインでお腹を壊しやすい人は、動物性から植物性へ一度見直してみる価値はあります。

お腹に優しいプロテインを選ぶポイント

プロテインでお腹を壊す人は、いきなり大量に飲むより、少量から試すのがおすすめです。

選ぶときは、次の点を見てみましょう。

1. 原材料がシンプルなものを選ぶ

香料、甘味料、増粘剤が多いものは、胃腸に合わないことがあります。

まずは、原材料がなるべくシンプルなものを選ぶと安心です。

2. 植物性プロテインを試す

植物性プロテインには、次のような種類があります。

  • ソイプロテイン
  • ピープロテイン
  • ライスプロテイン
  • ヘンププロテイン

今回の研究で注目されたのは、ピープロテインです。

ピープロテインは、えんどう豆由来の植物性タンパク質です。

ただし、豆類でお腹が張りやすい人もいます。
その場合は、少量から試すことが大切です。

植物性プロテインを試してみたい方は、えんどう豆由来のピープロテインも選択肢のひとつです。

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3. 食物繊維も一緒に意識する

今回の研究では、食物繊維の一種であるサイリウムが、牛肉由来タンパク質による炎症を抑える可能性も示されました。

つまり、腸を考えるなら、タンパク質だけでなく、食物繊維も大切です。

植物性の食事は、自然に食物繊維を取り入れやすいのがよいところです。

日本の食卓には、やさしい植物性タンパク質がある

ピープロテインは注目されています。

でも、日本の食卓には、昔から身近な植物性タンパク質があります。

たとえば、次のような食材です。

  • 豆腐
  • 納豆
  • 枝豆
  • 厚揚げ
  • 高野豆腐
  • おから
  • 味噌
  • ひよこ豆
  • レンズ豆

今回の研究は、えんどう豆タンパク質に注目したものです。
そのため、大豆食品にそのまま同じ効果があるとは言い切れません。

でも、日常の食事で植物性タンパク質を増やすなら、豆腐や納豆、枝豆はとても取り入れやすい選択肢です。

めあり

高いサプリを買う前に、まずは冷ややっこ、納豆ごはん、枝豆でもいいと思います。体にやさしいことは、意外と台所にあります。

今日からできる植物性タンパク質メニュー

お腹にやさしく植物性タンパク質を毎日の食卓に

ひよこ豆ときゅうり、トマト、紫玉ねぎを使った植物性タンパク質たっぷりのサラダ
ひよこ豆のサラダは、植物性タンパク質をおいしく手軽に取り入れたいときにぴったりの一皿です。

たとえば、こんな組み合わせがあります。

  • 冷ややっこ+すりごま+大葉
  • 納豆+オクラ+ごはん
  • 枝豆+味噌汁
  • 豆腐とわかめの味噌汁
  • 厚揚げのしょうが焼き風
  • ひよこ豆のサラダ
  • レンズ豆のスープ

夏は冷たいものが増えます。
胃腸が疲れやすい季節です。

そんなときこそ、無理にプロテインを増やすより、消化にやさしい豆類メニューから始めるのもよいと思います。

よくある質問

プロテインでお腹壊す人は飲まない方がいいですか?

必ずしもそうではありません。

まずは量を減らす。
種類を変える。
水で薄める。
添加物の少ないものに変える。

それでも続く場合は、無理に飲まない方がよいです。

植物性プロテインならお腹を壊しませんか?

人によります。

植物性プロテインでも、豆類が合わない人はお腹が張ることがあります。

少量から試すことが大切です。

ピープロテインとソイプロテインはどちらがいいですか?

今回の研究では、えんどう豆タンパク質のほうが大豆タンパク質より炎症が軽く抑えられました。ただし、これは単離タンパク質パウダーでの比較です。

豆腐や納豆のような食品の形で摂るなら、大豆食品も引き続き優秀な選択肢です。

プロテインパウダーで選ぶならピープロテイン、日常食で摂るなら大豆食品、と使い分けるのが現実的です。

IBDの人はピープロテインを飲めばいいですか?

自己判断で治療や食事を大きく変えるのはおすすめしません。

今回の研究はマウス研究です。
人間のIBD(炎症性腸疾患)患者で同じ効果が証明されたわけではありません。

治療中の方は、主治医や管理栄養士に相談してください。

まとめ:プロテインでお腹壊す人は、植物性という選択肢もある

プロテインでお腹を壊す人は、量だけでなく、種類を見直してみる価値があります。

今回の最新研究では、マウスの腸炎モデルにおいて、牛肉由来タンパク質で炎症が重くなり、えんどう豆タンパク質で炎症が軽くなったことが報告されました。

ただし、これは人間で治療効果を証明した研究ではありません。

大切なのは、極端に決めつけないことです。

  • 動物性プロテインが合わない人もいる
  • 植物性プロテインが合う人もいる
  • 豆類でお腹が張る人もいる
  • 食物繊維との組み合わせも大切
  • まずは少量から試す

そして、私たちの身近には、豆腐、納豆、枝豆、味噌など、やさしい植物性タンパク質がたくさんあります。

プロテインでお腹がつらい人は、まずは台所にある豆類から。
腸にやさしい選択を、無理なく始めてみませんか。

参考文献・出典

  • Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology, Montrose et al., 2026
  • Stony Brook University「Study Reveals Why a Plant-Based Protein Diet May Curb Inflammatory Bowel Diseases」
  • GI & Hepatology News「Beef protein linked to worse colitis in mice」
  • EurekAlert! / American Gastroenterological Association「Red meat may worsen IBD — here’s what could help」

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この記事を書いた人
この記事を書いた人 めあり

めあり

IIN認定ヘルスコーチ|ヴィーガン歴20年以上|ジュニア野菜ソムリエ

ニューヨーク・カリフォルニアでの長年の暮らしを経て、現在は日本の自然豊かな環境で、犬と猫とともにプラントベースの食と暮らしを実践中。実体験と検証ベースで発信しています。

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