スイカは、水分が多い夏の果物です。
でも、ただ水分が多いだけではありません。
カリウム、βカロテン、ビタミンCなども含まれています。
赤い果肉には、リコピンも含まれます。
また、スイカには赤肉スイカ、黄肉スイカ、黒皮スイカ、小玉スイカなど、いろいろな種類があります。
この記事では、スイカの主な栄養素と、代表的な種類の違いをわかりやすく紹介します。
スイカは水分だけじゃない?
スイカは、夏の水分補給にぴったりの果物です。
文部科学省の食品成分データベースでは、赤肉種のスイカは可食部100gあたり水分89.6gとされています。エネルギーは41kcalです。
つまり、スイカの約9割は水分です。
そのため、暑い季節に食べると、体にすっと入ってくる感じがあります。
ただし、スイカは水分だけの果物ではありません。
カリウム、βカロテン、ビタミンCなども含まれています。
スイカの主な栄養素
ここでは、赤肉種のスイカを目安に、主な栄養素を見ていきます。
文部科学省の食品成分データベースによると、赤肉種のスイカ100gあたりの主な成分は次の通りです。
| 成分 | 100gあたり |
|---|---|
| エネルギー | 41kcal |
| 水分 | 89.6g |
| 炭水化物 | 9.5g |
| 食物繊維 | 0.3g |
| カリウム | 120mg |
| βカロテン | 830μg |
| ビタミンC | 10mg |
カリウム
スイカには、カリウムが含まれています。
カリウムは、野菜や果物に多く含まれるミネラルです。
汗をかきやすい夏は、食事からミネラルをとることも大切です。
ただし、腎臓の病気などでカリウム制限を受けている方は、食べる量に注意してください。
βカロテン
赤肉種のスイカには、βカロテンも含まれています。
βカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わる成分です。
赤肉スイカの色には、カロテノイド類が関係しています。
ビタミンC
スイカには、ビタミンCも含まれています。
100gあたりでは10mgです。
果物の中では特別に多いわけではありませんが、夏に食べやすい果物として、自然にとりやすいのがよいところです。
リコピン
赤いスイカには、リコピンも含まれています。
リコピンは、トマトの赤い色でも知られるカロテノイドの一種です。
JAグループでも、赤い果肉にはカロテンとリコピンが含まれると紹介されています。
スイカの赤色が濃いほど、見た目にも夏らしく、食欲をそそります。
シトルリン
スイカには、シトルリンというアミノ酸の一種も含まれます。
JAグループでは、シトルリンはスイカの果汁から発見されたアミノ酸の一種として紹介されています。
また、シトルリンやスイカの摂取と血管機能に関する研究も行われています。
ただし、スイカを食べれば特定の病気が治る、という意味ではありません。
食品として、夏の食生活に楽しく取り入れるくらいが自然です。
スイカのカロリーと糖質は?
スイカは甘いので、カロリーが高いと思われることがあります。
でも、赤肉種のスイカは100gあたり41kcal、糖質は9.2gです。
甘みはありますが、水分が多いため、カロリーや糖質はほかの果物と比べても比較的控えめです。
ただし、食べすぎれば糖質も増えます。
スイカ一切れの目安は、大玉スイカを八等分してさらに半分にしたくらいで、可食部は約150〜200gです。この場合、糖質はおよそ14〜18gになります。
大きなスイカは、気づかないうちにたくさん食べてしまうことがあります。
目安としては、小さめの一切れをゆっくり味わうくらいがちょうどよいです。
| 成分 | 100gあたり |
|---|---|
| エネルギー | 41kcal |
| 水分 | 89.6g |
| 炭水化物 | 9.5g |
| 糖質 | 9.2g |
| 食物繊維 | 0.3g |
| カリウム | 120mg |
| βカロテン | 830μg |
| ビタミンC | 10mg |
「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
スイカの種類と特徴
スイカには、いろいろな種類があります。
果肉の色で見ると、赤肉、黄肉、ピンク系などがあります。
大きさで見ると、大玉、小玉があります。
皮の色で見ると、一般的な縞模様のもの、黒皮タイプなどがあります。
JAグループでも、スイカは果肉が赤、黄色、ピンクなどあり、サイズも小玉から大玉まで、形も丸やラグビーボール型など種類が豊富と紹介されています。
赤肉スイカ
赤肉スイカは、日本でよく見かける一般的なスイカです。

果肉が赤く、甘みとみずみずしさがあります。
赤い果肉には、リコピンやカロテンが含まれます。
はじめてスイカを買うなら、まずは赤肉スイカが選びやすいです。
黄肉スイカ
黄肉スイカは、果肉が黄色いスイカです。

見た目が明るく、切ったときの印象が華やかです。
赤肉スイカとは色が違うため、栄養もまったく違うと思われることがあります。
文部科学省の食品成分データベースでは、黄肉種のスイカも赤肉種とは別の項目で掲載されています。
ただし、品種によって甘みや食感は変わります。
「黄色いから栄養がない」とは考えなくて大丈夫です。
赤と黄色を一緒に盛り付けると、夏らしい一皿になります。
黒皮スイカ
黒皮スイカは、皮の色が濃いスイカです。

代表的なものに、北海道当麻町の「でんすけすいか」があります。
JA当麻によると、でんすけすいかは皮が黒い外見が特徴で、果肉にはシャキシャキ感があると紹介されています。
黒皮スイカは見た目に高級感があります。
贈答用として扱われることもあります。
普通のスイカとは少し違うものを楽しみたいときに向いています。
小玉スイカ
小玉スイカは、名前の通り小さめのスイカです。

冷蔵庫に入れやすく、少人数の家庭でも食べきりやすいのが魅力です。
大玉スイカは存在感がありますが、冷蔵庫に入らないこともあります。
その点、小玉スイカは扱いやすいです。
一人暮らしや二人暮らしなら、小玉スイカの方が無駄なく食べやすいかもしれません。
種なしスイカ
種なしスイカは、種が少なく食べやすいスイカです。
実は、種なしスイカには二つの作り方があります。
三倍体を利用する方法(従来法)
日本の遺伝学者・木原均が開発した方法です。二倍体の普通のスイカに「コルヒチン」という植物由来の成分を処理して四倍体にし、これと二倍体を交配して三倍体の種子を作ります。三倍体のスイカは種ができないため、種なしスイカになります。
ただし、栽培に手間がかかることや、食味の面での課題から、現在の生産量は非常に少ないです。
軟X線照射花粉を使う方法(新技術)
農研機構が開発した比較的新しい方法です。普通のスイカの雄花の花粉にX線を当てて不活化し、それを雌花に受粉させます。花粉の刺激で果実は大きくなりますが、種は入りません。
ここで大事なポイントがあります。X線を当てているのは受粉に使う花粉であって、果実そのものに放射線を当てているわけではありません。混同されやすい点ですが、私たちが食べるスイカ本体に放射線処理がされているわけではないので、その点は誤解しないようにしたいところです。
どちらもGMO(遺伝子組換え)ではありません
三倍体法も軟X線花粉法も、遺伝子組換え技術ではなく、従来の品種改良技術の延長にあります。
ただし、オーガニックや自然な食材にこだわる方の中には、「そもそも人為的に種をなくすこと」に違和感を持つ方もいるかもしれません。気になる方は、種ありスイカを選ぶという選択もあります。種ありスイカは、日本ではまだ主流で、市場でも見つけやすいです。
種を出しながら食べる時間も、夏の風物詩のひとつかもしれません。
スイカをおいしく食べるコツ
スイカは、切り方や冷やし方でおいしさが変わります。

切る前に表面を洗う
スイカは皮を食べない果物です。
それでも、切る前には表面を軽く洗うのがおすすめです。
包丁が皮から果肉へ入るため、表面の汚れが果肉側に移る可能性があるからです。
流水で表面を洗い、清潔なふきんやキッチンペーパーで水気をふいてから切ると安心です。
冷やしすぎない
スイカは冷やすとおいしいですが、冷やしすぎると甘みを感じにくくなることがあります。
丸ごと保存している場合は、食べる少し前に冷やすくらいでも十分です。
スイカは、切り方や冷やし方でもおいしさが変わります。
スイカと農薬のこと
スイカを選ぶとき、農薬が気になる方もいるかもしれません。
米国の環境保護団体EWG(Environmental Working Group)は、毎年、残留農薬の少ない果物・野菜を「クリーン15」として発表しています。スイカは、このクリーン15に入る果物です。
理由の一つは、厚い皮が果肉を自然に守っているからです。皮ごと食べる果物と比べて、果肉に残る農薬は少ないと考えられています。
ただし、これはあくまで米国のデータです。日本で栽培されるスイカの残留農薬状況は栽培方法や生産者によって変わります。
気になる方は、次のような選び方もあります。
- 有機JAS認証のスイカを選ぶ
- 地元の農家から直接買う
- 皮に近い部分(白い部分)を食べるときは、有機栽培のものを選ぶ
有機栽培のスイカは、慣行栽培のものより価格が高めです。無理をせず、日常は普通のスイカ、たまに有機のもの、といった使い分けでもよいと思います。
スイカを無駄なく食べきる工夫
スイカは大きな果物です。一玉買うと食べきれないこともあります。
でも、少し工夫すれば、スイカはほとんど無駄なく食べきれます。
皮の白い部分も食べられる
スイカは、果肉だけでなく、皮に近い白い部分も食べられます。
JAグループでも、果肉を食べた後の皮の部分を漬物にする食べ方が紹介されています。
緑の硬い外皮をむき、白い部分を薄切りにして、塩もみや浅漬けにすると食べやすいです。ごま油と塩で和えるだけでも、コリコリした食感が楽しめます。
中華風の炒め物や、スープの具にすることもできます。
食べきれない果肉は冷凍する
冷凍したスイカは、そのままシャーベット風に食べたり、ブレンダーでなめらかにしてスムージー風にしたりできます。
買う量を暮らしに合わせる
一人暮らしや二人暮らしなら、最初から小玉スイカを選ぶという方法もあります。
大玉スイカは夏らしくて魅力的ですが、食べきれないと結局は捨てることになります。無理せず、自分の暮らしに合ったサイズを選ぶことも、食品ロスを減らす立派な工夫です。
硬い外皮はコンポストへ
白い部分まで食べたあとに残る、緑の硬い外皮。これも捨てずに、コンポストで土に還すことができます。庭やベランダで家庭菜園をしている方は、スイカの皮を土に混ぜ込むことで循環の一部にできます。
めありスイカは、昔は「ただ甘くて水分が多い果物」という印象でした。
でも、調べてみると、カリウム、βカロテン、ビタミンC、シトルリンなど、いろいろな成分が含まれています。
私は冷やしすぎたスイカより、少しだけ常温に戻したスイカの方が甘みを感じやすい気がします。
そして、小玉スイカは本当に便利です。
大玉スイカは夏らしくて魅力的ですが、冷蔵庫に入れることを考えると、少人数の家庭では小玉スイカの方が暮らしに合うこともあります。
食べきれないときは、冷凍しておくと無駄になりにくいです。
よくある質問
スイカは栄養がない果物ですか?
いいえ。スイカは水分が多い果物ですが、カリウム、βカロテン、ビタミンCなども含まれています。赤い果肉にはリコピンも含まれます。
スイカは毎日食べてもいいですか?
適量なら、夏の果物として楽しめます。ただし、食べすぎると糖質や水分を多くとることになります。体調や食事全体のバランスを見ながら食べるのがおすすめです。
赤いスイカと黄色いスイカはどちらが栄養がありますか?
赤肉スイカはリコピンを含む赤い果肉が特徴です。黄肉スイカも食品成分データベースでは別項目として掲載されています。どちらが上というより、味や見た目の好みで選ぶとよいです。
小玉スイカは大玉スイカより甘いですか?
小玉だから必ず甘い、大玉だから甘くない、というわけではありません。甘さは品種、熟し具合、栽培環境によって変わります。小玉スイカは、冷蔵庫に入れやすく食べきりやすいのが大きな魅力です。
まとめ
スイカは、水分が多い夏の果物です。
でも、水分だけではありません。
カリウム、βカロテン、ビタミンCなどを含み、赤い果肉にはリコピンも含まれます。
種類も豊富です。
赤肉スイカ、黄肉スイカ、黒皮スイカ、小玉スイカ、種なしスイカなど、それぞれに違った魅力があります。
夏に食べるなら、栄養だけでなく、切りやすさ、保存しやすさ、食べきりやすさも大切です。
少人数の家庭なら小玉スイカ。
見た目を楽しむなら黄肉スイカ。
贈答用なら黒皮スイカ。
定番のおいしさなら赤肉スイカ。
暮らしに合ったスイカを選んで、夏の果物を楽しんでみてください。
参考文献・出典
- 文部科学省「食品成分データベース|果実類/すいか/赤肉種/生」
- 文部科学省「食品成分データベース|果実類/すいか/黄肉種/生」
- JAグループ「夏の旬くだもの スイカ」
- 農研機構「新技術による種なしスイカの作出マニュアル」
- JA当麻「特産品:でんすけすいか」
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」


