ナスの剪定(せんてい)とは、伸びすぎた枝や混み合った葉を切って、株を育てやすく整える作業です。
ナスは枝や葉が増えやすい野菜です。
そのままにしておくと、風通しが悪くなり、株が疲れやすくなることがあります。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、ナスの剪定時期、枝の切り戻し、更新剪定のやり方を解説します。
この記事でわかること
- ナスの剪定が必要な理由
- 3本仕立ての基本
- わき芽を取るタイミング
- 切り戻しと更新剪定の違い
- 更新剪定の時期とやり方
- 剪定後の水やり・肥料のコツ
- 失敗しやすいポイント
めありナスの剪定は、きれいに形を整えるためだけではありません。株を疲れさせず、長く収穫するためのお手入れです。最初は「混みすぎた枝を少し整理する」くらいの感覚で大丈夫です。
ナスに剪定が必要な理由
ナスは成長すると、枝や葉がどんどん増えます。
そのまま放置すると、株の中が混み合い、風通しや日当たりが悪くなります。
剪定には、次のような目的があります。
- 株の風通しをよくする
- 日当たりを確保する
- 実に栄養を回しやすくする
- 病害虫を見つけやすくする
- 株の疲れを軽くする
- 秋まで収穫しやすくする
ナスは水と肥料をよく使う野菜です。サカタのタネも、ナスは「水で育つ」といわれるほど水不足に弱く、水が不足すると生育が悪くなり、果実のツヤがなくなると説明しています。剪定だけでなく、水やりと肥料管理も一緒に見直すことが大切です。
基本は3本仕立てにする
ナスの基本の仕立て方は、3本仕立てです。
3本仕立てとは、主枝1本と、勢いのよい側枝2本を残して育てる方法です。
サカタのタネでは、ナスは1番花の下から出る勢いのよい側枝を2本残し、主枝と合わせて3本仕立てにすると説明しています。

3本仕立てで残す枝
残す枝は、次の3本です。
- 主枝
- 一番花のすぐ下から出る元気な側枝
- もう1本の勢いのよい側枝
反対に、株元近くの弱いわき芽や、内側に込み合う枝は取り除きます。
最初から完璧に整えようとしなくても大丈夫です。
まずは、元気な3本を中心に育てることを意識しましょう。
わき芽は小さいうちに取る
わき芽は、大きくなってから切るより、小さいうちに取った方が株への負担が少なくなります。
小さなわき芽なら、指でつまんで取ることもできます。
ただし、ナスの茎や葉には細かい毛やトゲのような部分があることもあるため、作業するときは園芸用手袋を着用すると安心です。
収穫中の剪定は軽めでいい
ナスの収穫が始まったら、毎回大きく剪定する必要はありません。
基本は、混み合った枝や傷んだ葉を少しずつ整理する程度で大丈夫です。

収穫中に切るとよい枝や葉
次のような枝や葉は、様子を見ながら整理します。
- 地面に触れそうな下葉
- 黄色くなった葉
- 病気っぽい斑点がある葉
- 株の内側に向かって伸びる枝
- 細くて弱い枝
- 風通しを悪くしている枝
ただし、葉を取りすぎると光合成ができなくなり、株が弱ります。
一度にたくさん切らず、少しずつ整えましょう。
めありナスは葉も大きいので、少し混んでくると「切った方がいいのかな」と不安になります。でも、葉は株の体力を作る大事な場所です。迷ったら、まずは傷んだ葉と風通しを悪くしている枝だけでOKです。
切り戻しと更新剪定の違い
ナスの記事でよく出てくる言葉に、切り戻しと更新剪定があります。
どちらも枝を切る作業ですが、目的が少し違います。
切り戻しとは
切り戻しは、伸びすぎた枝を途中で切り、株の形を整える作業です。
枝を短くすることで、株のバランスを整えたり、新しい芽を出しやすくしたりします。
収穫中に行う軽い枝整理も、広い意味では切り戻しに近い作業です。
更新剪定とは
更新剪定は、夏に疲れた株を切り戻し、新しい枝を出させて、秋ナスの収穫を目指す作業です。
タキイ種苗では、ナスは真夏になると「なり疲れ」で樹勢が弱りやすく、品質のよいナスが収穫しにくくなるため、7月下旬から8月上旬ごろに枝を切り戻して新しい枝を出させると、秋ナスが収穫できると説明しています。
つまり、
- 普段の枝整理:軽い剪定・切り戻し
- 夏に株を休ませて秋ナスを目指す作業:更新剪定
と考えるとわかりやすいです。
更新剪定の時期

更新剪定の目安は、7月下旬から8月上旬ごろです。
ただし、地域や気温、株の状態によって変わります。
更新剪定を考えるサインは、次のような状態です。
- 実が小さくなってきた
- 実のツヤが悪くなってきた
- 花が落ちやすい
- 葉が疲れている
- 枝が混み合っている
- 株全体に勢いがない
一方で、まだ元気に実がなっている株を無理に更新剪定する必要はありません。
更新剪定は「必ずやる作業」ではなく、株が疲れてきたときの選択肢です。
更新剪定のやり方
更新剪定は、思い切って枝を切る作業です。
ただし、切りすぎると株に負担がかかるため、初心者の方は少し控えめに行うのがおすすめです。
1. 収穫できる実を先に取る
更新剪定の前に、ついている実を収穫します。
大きな実をつけたまま剪定すると、株に負担が残ります。
家庭菜園では、ナスは大きくしすぎるより若どりした方が、やわらかい実を多く収穫しやすいとタキイ種苗も説明しています。
2. 枝を半分から3分の1ほど切り戻す
枝を見ながら、伸びすぎた部分を切り戻します。
すべての枝を同じ長さにそろえる必要はありません。
目安は次のとおりです。
- 元気な芽が残る位置で切る
- 枝先の疲れた部分を切る
- 混み合った枝を整理する
- 株元に光と風が入るようにする
初心者の方は、いきなり強く切りすぎず、株全体を軽く小さくするくらいから始めると安心です。
3. 古い葉や傷んだ葉を取る
黄色くなった葉、病気のような斑点がある葉、地面に触れそうな葉は取り除きます。
ただし、元気な葉まで取りすぎないようにします。
葉が少なすぎると、株が回復する力も弱くなります。
4. 追肥する
更新剪定の後は、新しい枝を出すために肥料が必要です。
肥料を切らすと、せっかく剪定しても株が回復しにくくなります。
タキイ種苗のナス栽培マニュアルでも、更新剪定の後は追肥と水やりを十分に行い、枝を更新させる流れが紹介されています。
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5. 水をしっかり与える
剪定後は、株が新しい芽を出すために水も必要です。
特にプランター栽培では土が乾きやすいため、土の乾き具合をよく確認します。
水やりは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいたっぷりが基本です。
更新剪定で失敗しやすいポイント
更新剪定は便利な方法ですが、やり方を間違えると株が弱ることもあります。
切りすぎる
一番多い失敗は、枝を切りすぎることです。
特にプランター栽培では、畑より株に負担がかかりやすい場合があります。
初心者の方は、最初から強く切りすぎない方が安心です。
暑すぎる日に作業する
真夏の強い日差しの中で剪定すると、株にも人にも負担がかかります。
作業するなら、比較的涼しい午前中がおすすめです。
剪定後に肥料と水を切らす
更新剪定は、切って終わりではありません。
切ったあとに新しい枝を出させるため、水と肥料が必要です。
剪定後の管理を忘れると、株が回復しにくくなります。
弱りすぎた株に無理をさせる
すでにかなり弱っている株は、更新剪定に耐えられないこともあります。
病気が強く出ている株、根が傷んでいる株、葉がほとんど残っていない株は、無理に剪定しない方がよい場合もあります。
剪定後は秋ナスを目指す
更新剪定がうまくいくと、新しい枝が伸び、秋に再びナスを収穫できることがあります。
いわゆる秋ナスです。
ただし、秋ナスを目指すには、剪定後の管理が大切です。
- 水切れさせない
- 肥料切れさせない
- 新しい枝をよく観察する
- 病害虫を早めに見つける
- 実を大きくしすぎない
ナスは、実を大きくしすぎると株に負担がかかります。
秋ナスを長く楽しみたい場合も、採り遅れには注意しましょう。
ナスの剪定に必要な道具
ナスの剪定に必要な道具は、シンプルです。
切れ味の悪いハサミを使うと、枝をつぶしてしまうことがあります。
剪定には、清潔で切れ味のよいハサミを使いましょう。
ナスの剪定でよくある質問
ナスの剪定は必ず必要ですか?
必ず大きく剪定しなければいけないわけではありません。
ただし、枝や葉が混み合っている場合は、風通しをよくするために軽く整えると育てやすくなります。
秋ナスを目指す場合は、夏に更新剪定をする方法があります。
更新剪定をしないと秋ナスは取れませんか?
更新剪定をしなくても、株が元気なら収穫が続くことがあります。
ただし、真夏に株が疲れて実の品質が落ちてきた場合は、更新剪定で株を休ませる方法があります。
プランター栽培でも更新剪定できますか?
できます。
ただし、プランター栽培は土の量が限られるため、水切れや肥料切れに注意が必要です。
剪定後は、新しい枝が出るまで土の乾き具合をよく見て、必要に応じて追肥しましょう。
剪定した枝は挿し木できますか?
ナスは挿し木できる場合もありますが、初心者向けの確実な方法とは言いにくいです。
まずは親株を元気に育て、剪定後の回復を優先するのがおすすめです。
まとめ
ナス栽培では、剪定をすることで株の風通しがよくなり、実を長く収穫しやすくなります。
大切なポイントは、次の4つです。
- 基本は3本仕立てで育てる
- 収穫中は混み合った枝や傷んだ葉を整理する
- 株が疲れてきたら更新剪定を検討する
- 剪定後は水やりと追肥を忘れない
更新剪定の目安は、7月下旬から8月上旬ごろです。
ただし、元気な株を無理に切る必要はありません。
ナスの剪定は、最初は少し難しく感じます。
でも、目的はシンプルです。
株の風通しをよくして、疲れを軽くし、長く収穫すること。
この考え方で見ていくと、剪定のタイミングも少しずつわかるようになります。
参考文献
この記事では、ナスの剪定・栽培方法について、以下の情報を参考にしました。
- サカタのタネ 園芸通信「ナスの育て方・栽培方法」
- サカタのタネ「初心者向け!ナスの栽培方法・育て方のコツ」
- タキイ種苗「山田式家庭菜園教室 ナス」
※この記事にはAmazonアソシエイトリンクを利用しています。



