きゅうりって英語でキューカンバー?英語での呼び名から栄養まで

世界のきゅうりの品種図解。白イボ系、黒イボ系、ブルームレスきゅうり、四葉きゅうり、ミニきゅうり、コルニション、マーケットモア、ロシアきゅうり、モーウィなど、各品種の形・特徴をイラストで紹介。

きゅうりの英語と世界の呼び方|歴史・効能

【きゅうりシリーズ第1回】

きゅうりは、英語で「Cucumber(キューカンバー)」と呼ばれています。
この言葉は英語圏で広く通じる一般的な表現ですが、実は世界各国で呼び名や表現が異なることをご存知でしょうか?

この記事では、きゅうりの英語での呼び名や各国の言語表現を中心に、きゅうりの栄養価・歴史・世界での食文化との関わりまでをわかりやすく解説します。

言語の違いから見える文化の面白さや、国ごとの栽培方法・食べ方の違いを知ることで、身近な野菜であるきゅうりの魅力をさらに深く感じられるはずです。

「日常にある野菜を、ちょっと違った視点で見てみたい」という方にぴったりの内容となっています。
ぜひ最後までお楽しみください。


※きゅうりシリーズ全3回:
第1回:きゅうりって英語でキューカンバー?英語での呼び名から栄養まで(本記事)
第2回:世界のきゅうり図鑑 〜品種と美味しい食べ方〜
第3回:初心者からできる!オーガニックきゅうりの育て方完全ガイド

目次

世界のきゅうりの呼び方

英語圏ではどこでも「Cucumber(キューカンバー)」と呼ばれています
発音には少し地域差がある場合もありますが、意味としては共通しており、どこでも通じる言葉です。

また、用途や品種によって、さらに細かい呼び方が使われることもあります。

  • English cucumber(イングリッシュ・キューカンバー)
     細長くて皮が薄く、種が少ない品種。日本のきゅうりに近く、香りもやさしいタイプです。
  • Slicing cucumber(スライシング・キューカンバー)
     厚めの皮としっかりした果肉が特徴で、生食やサラダに使われることが多い一般的な品種です。
  • Pickling cucumber(ピックリング・キューカンバー)
     小ぶりでピクルス専用品。皮がしっかりしており、加工に適しています。

英語以外にも、きゅうりは国や地域によってさまざまな呼び方をされています。
一部をご紹介しますね。

言語呼び方読み方(カタカナ)
フランス語Concombreコンコンブル
スペイン語Pepinoペピーノ
ドイツ語Gurkeグルケ
イタリア語Cetrioloチェトリオーロ
中国語(簡体字)黄瓜ホワングア
韓国語오이オイ
ロシア語огурецアグリェーツ

こうして見ると、同じ野菜でも国によってまったく違う呼び方があるのが面白いですね。
言葉の違いを知ることで、世界の食文化にも自然と興味がわいてきます。

きゅうりは何科の植物?仲間の野菜と特徴も紹介

きゅうりは、植物の分類上「ウリ科(ウリか/Cucurbitaceae)」に属しています。
ウリ科には、私たちの食卓でおなじみの野菜や果物が多く含まれており、実は仲間がとても多い植物グループです。

ウリ科の代表的な野菜と果物

野菜・果物名特徴
スイカ夏に人気の果物で、きゅうりと同じくつる性植物。実はきゅうりの近縁種です。
メロン香り高い果肉が特徴。種類によって果肉の色や甘さも異なります。
カボチャ栄養価が高く、煮物やスープにも使われます。きゅうりよりも葉や実が大きいのが特徴。
ズッキーニ見た目はナスに似ていますが、実はウリ科。洋食によく使われます。
ヘチマ(糸瓜)食用にもなりますが、日本ではスポンジなどにも使われています。
ウリ科のやさい

ウリ科植物の共通点とは?

  • つる性植物が多い
    きゅうりと同様、つるを伸ばして成長し、他のものに巻き付いて支えます。
  • 果実の成長が早い
    きゅうりもそうですが、果実の生長スピードが非常に早いです。
  • 水分を多く含む
    果実の多くは水分が豊富で、みずみずしい味わいが特徴です。
  • 栽培環境に敏感
    高温多湿や風通し、土壌環境に左右されやすい植物です。

きゅうりの栄養素と健康効果

きゅうりは「栄養が少ない野菜」と思われがちですが、実は健康に役立つ成分をしっかり含んでいます。カロリーが非常に低く、水分が豊富なため、ダイエットや夏場の水分補給にもぴったりです。

🔸 主な栄養成分と働き

栄養素特徴・健康効果
水分(約95%)体内の水分補給に役立ち、暑い季節にもおすすめ。
カリウム余分な塩分(ナトリウム)を排出し、むくみや高血圧予防に。
ビタミンC抗酸化作用があり、免疫力アップや美肌・老化防止に効果的。
ビタミンK血液の凝固に関与し、骨の健康維持をサポート。
食物繊維腸内環境を整え、便秘対策に。

🔸 注目の成分とそのはたらき

  • ホスホリパーゼ(脂肪分解酵素)
    脂肪の分解を促すとされ、ダイエットに効果が期待されています。満腹感を得やすいため、食事の最初に食べると◎。
  • アスコルビナーゼ(ビタミンC分解酵素)について
    かつて「きゅうりはビタミンCを壊す」と言われていましたが、正確にはビタミンCを一時的に酸化型に変えるだけで、体内で再び還元型に戻ることがわかっています。栄養価への影響は心配いりません。
きゅうりスライス

🔸 栄養価の目安(100gあたり)

栄養素含有量(目安)
エネルギー約14 kcal
炭水化物約3.0 g
食物繊維約1.1 g
たんぱく質約1.0 g
ビタミンC約14 mg
カリウム約200 mg
カルシウム約26 mg

🔸 栄養バランスの特徴

きゅうりは一つひとつの栄養素が豊富なわけではありませんが、低カロリー・高水分・バランスの取れたミネラルやビタミンの含有が魅力です。
単体ではなく、他の食材と組み合わせて食べることで、より健康的な食生活を実現できます。

例:
・トマトときゅうりのサラダ → 抗酸化作用の相乗効果
・きゅうりの酢の物 → ビタミンCと酢でより吸収率UP


きゅうりの歴史|インドから世界へ広がった背景とは?

きゅうりの原産地は、インド北西部のヒマラヤ山麓とされています。紀元前3000年以上も前から栽培されていたと考えられており、人類にとって非常に古い歴史を持つ野菜のひとつです。

その後、きゅうりは次第に世界中に広まりました。

  • 西アジア・地中海地域
    紀元前3~2世紀頃には西アジアに伝わり、古代ギリシャやローマでも食されていました。特にローマ皇帝ティベリウスが好んで食べていたことは有名です。
  • ヨーロッパ
    9世紀頃にフランス、14世紀頃にイギリス、16世紀にはドイツにも伝わり、徐々にヨーロッパ全土で栽培が広がっていきました。
  • 中国と東アジア
    きゅうりは紀元前122年、漢の武帝の時代にシルクロード経由で中国に伝わったとされます。中国には2つの系統が存在し、水分の少ない「南伝種」は東南アジアから、みずみずしい「北伝種」はシルクロード経由で伝来。用途によって生食用と漬物用に使い分けられるようになりました。
  • 日本
    日本には10世紀より前に中国から伝わったと考えられており、最初は薬用として使われていました。本格的に食用として栽培されるようになったのは江戸時代以降です。

江戸時代までは熟して黄色くなったきゅうりが食べられていたため、「黄瓜(きうり)」という呼び名が定着したと言われています。また、シルクロードを経て伝来したことから「胡瓜」という漢字も使われるようになりました。

ただし当時のきゅうりは苦味が強く、徳川光圀が「毒多くして能無し。植えるべからず」と酷評した記録も残されています。また、きゅうりの切り口が徳川家の家紋に似ているという理由で、武士の間では忌避されたという説もあります。

徳川家の家紋「三つ葉葵」。きゅうりの切り口に似ていることから、武士の間で忌避された歴史もある。
By Gameposo – Own work, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
  • 明治以降の品種改良と普及
    明治時代には、みずみずしく歯ごたえのよい「華北系」の品種が導入され、生食用としての栽培が本格化。昭和以降には温室栽培やブルームレス品種の登場により、一年中安定供給されるようになりました。

まとめ:世界中で愛されるきゅうりの多彩な姿

きゅうりは、ただの脇役ではなく、栄養・文化・歴史に彩られた世界的な野菜です。

きゅうりは「Cucumber(キューカンバー)」という英語名で知られていますが、世界各国でさまざまな呼び名と食文化を持つことがわかりました。

✓ 世界中で異なる呼び方があり、それぞれの文化に根付いています
✓ ウリ科の植物として、スイカやメロンなどと同じ仲間です
✓ 低カロリーながら、カリウムやビタミンなど健康に役立つ栄養素を含んでいます
✓ インド原産で3000年以上の歴史を持ち、シルクロードを通じて世界中に広まりました

身近なきゅうりですが、その背景には豊かな歴史と文化があります。

次回は「世界のきゅうり図鑑 〜品種と美味しい食べ方〜」で、さらに多彩なきゅうりの世界をご紹介します。お楽しみに!

この記事を書いた人
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ガーデンスプラウト

My Organic Veggie Life」運営者・オーガニックライフナビゲーター

長い海外生活を経て、現在は日本で植物と動物に囲まれた暮らしを楽しんでいます。
家庭菜園やオーガニックライフのヒントを、ブログで発信中。 

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